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性教育のおしえかた ~渡邊真由子先生編①~

渡辺真由子さん
元テレビ局報道記者。
慶応大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程を経て
現在、慶応大学SFC研究所上席所員(訪問)。
専門はメディア・リテラシー。

青少年の性意識・性行動とメディアとの関連性を取材し、
性教育への「性情報リテラシー」導入を提唱。
全国の教育委員会やPTA、中学・高校から支持を受け、
講演を多数務める。
著書に『オトナのメディア・リテラシー』、『性情報リテラシー』ほか。

●Mayuko Watanabe Official site こちら

●渡辺真由子 FaceBook こちら

——「イントロダクション~メディアが発信する性情法の誤り~」 【中学生以上の男の子向け】

渡辺真由子さん:私の場合は、メディアが発信する性情法の誤解について、中学生以上の男の子と女の子にお話をさせて頂いてます。まず、中学生以上の男の子に向けてなんですけれども、彼らの場合はですね、ほとんど性に関する情報というのはメディアから得ているんですよね。しかしながら、そのメディアが発信する性情報には非常にたくさんの誤解であったりとか、現実の女の子の気持ちとのズレというものがあります。まずひとつはですね、初体験の時期とか、あと体験人数に関する誤解なんですよね。というのは、結構、男の子の場合というのは、友達に性体験の年齢を負けたくないというか、できるだけ友達よりも早く経験したいという気持ちがあるんですよね。その背景には、よくファッション雑誌なんかで行われている性に関するアンケート特集というものがあるんですけれども、その中で自分の性体験は15歳だったとか14歳だったというような、そういうこうランキングがあるんですよね。ですから現実の男の子の場合でも、そのランキングよりも遅いとちょっと恥ずかしいという気持ちがあるので、好きでもない女の子と焦る気持ちになっちゃってやってしまったというケースが結構あるんですよね。あと体験人数に関してなんですけれども、結構ですね、男っていうのはもうどんどん女と付き合うには数をこなせというようなメッセージってたくさん得ていたんですね。一人の女性と長くじっくり付き合うというよりも、とにかく色んな女の子と体験を増やしていく事が男らしさであるとか、カッコよさであるというような情報ですよね。で、それを鵜呑みにしてしまってですね、もう合コンで知り合った好きでもない女の子を次々とこう家に招いてですね、どんどん性体験を積み重ねていったと。

そして第2点目なんですが、メディアが発信するこの性に関する情報でですね非常に多いのが「女の子のOKサインを読み解け」というものなんですよね。OKサインって、つまり性に関する性交に関するOKというサインなんですけれども。じゃあそのサインをどう読み解くかっていうと、メディアがよくアピールするのはですね「女の子の服装に注目しろ」と言うんですね。女の子が肌を露出した格好をしている、たとえばミニスカート履いていたりとか、肩を出した服装をしていると、それは誘っているんだとなのでここは行かなきゃ男として損だ、というようなメッセージですよね。以前にですね、私がアンケートを取ったことがあるんですけれども、都内の男の子と女の子を対象にですね。その際に、「露出した服装は、いわゆる性に関するOKサインである」と信じてる男の子というのが、およそ20%ですね、5人に1人の割合でいました。一方で、女の子はわずか4%しかおりませんでした。ってことは、ここに5倍の開きがあるわけですよね、ですから男の子としたら、そこら辺をあまり早まって行動しないように、というのが大事になってくるんですよね。

そして3点目ですけれども、これもですね、非常にこう男の子向けメディアの王道ともいえるメッセージなんですが「家に来る女の子は、もう性交渉する気が満々である」というようなメッセージですよね。で、これほんとにもう男の子向けのメディアでは非常に言われている事でして。いかに家に彼女を連れてきて2人きりになるかというようなテクニックが、非常に事細かくですね、指南されているんですね。まぁ実際に私が話を聞いた男の子の中でも、彼女が家にきたらですね、もうこれは迫らないと男としては恥だみたいな、むしろ相手に失礼だみたいな事をですね思っている男の子がいます。しかしながら、一方で女性がどう思うかと言いますと、私が話を聞いた女の子達の中ではですね、男の子に「お家で一緒にDVD観よう」とか「一緒に料理しよう」と誘われて軽い気持ちで遊びに行ったら、そこで無理やり迫られて性交渉されてしまった、というケースが結構あったんですよね。こういったケースというのは、女の子も別にいちいち被害届を出さないんですが、やはりまあ性的暴行の一種になってくるわけですよね。そういう事例が実は日常的に普通の一般的な女の子の間で発生しているという実態があるんですね。

そして4つ目ですけれども、男の子がですね、もし女の子と家で2人きりになったとして、で、家に着たからOKだと思って迫ってもですね、そこで女の子が嫌だとかNOと言ったところで止めれば悲劇は起きないはずなんですよね。だけども実際には男の子は止めないんですよね、相手が嫌がってもこのまま行っちゃっていいんじゃないかと思って、無理やり事を進めてしまうという事がよくあるんですが、それはなぜかと言うと「女性のNOはポーズである」というメッセージを、これまたですね、男の子向けのメディアがよく発信をして言ってるものなんですよね。そういうメッセージというのはアダルト系のメディアだけではなくって、ごく一般のTV番組バラエティーとかですね、そういった中でも発信をされています。よくお笑い芸人さんとかですね「女がイヤって言っても、それは単なるジラシだから、これは行っちゃったほうがいいで」みたいな事を言うお笑い芸人さんとかいるんですよね。そういうのをほんとにもう中学生、高校生、大学生の男の子は観ているわけです。ですからそこら辺はまあ勘違いしやすいポイント。

そして最後5点目お話をさせて頂きますと、避妊に関する情報なんですよね。メディアが発信している避妊情報っていうのは、まあいい加減なんですよね。学校の性教育においては、避妊の方法というかコンドームの使い方ですね。そこらへんを教える学校もありますし、そこで学んだという男の子もいるわけですけれども、一方でですね、アダルトビデオだったり、アダルト動画、DVDといったもので性交の内容を観ていると、そこでは避妊をする場面というのがまず出てこないんですよね。で、避妊をしない代わりに何をするかっていうと、いわゆる外出しと呼ばれるもので膣外射精ですよね。女性の顔にかけたり、胸にかけたりっていう事をやるわけですけれども、観てる男の子達は「あっ、これをしとけばいいんだ」と。「膣外射精をしとけばOKなんだ」と思ってしまうんですよね。で、実際に私がアンケートをとった男の子達の間でも、コンドームを付ける男の子8割以上いる一方でですね、たまにいいだろと思って膣外射精をしてしまう男の子も2割位いましたし。さらに相手の女性が生理中だったとか安全日だったという理由で避妊をしなかった、という男の子達も1割前後でいるんですよね。ですから本当にメディアの間違いだらけの避妊情報というのは信じるなと、いう事は強く申し上げたいわけです。男の子はあんまりそこら辺の情報、積極的に収集していないんですよね。女の子の場合は自分の体の事なので、結構調べる子もいるんですけれども、男の子は本当にそのメディアが別にコンドームなんか付けなくてもいいんだよというような情報を発信すると、まあそれは自分達にとって都合がいい情報なので鵜呑みにしてしまうんですよね。さらにですね、男の子の場合は性感染症とか中絶に関する情報というのも、あまりよく知らないんですよね。私が取材したある男の子はですね、色んな女の子ととっかえひっかえ一晩限りの関係を続けていた男の子がいるんですが、その際に避妊はほとんどしてないと言うんですね。で私がですね、「君はそんな避妊もしないで子供が出来たらどうするの?」と。「もう親になっちゃってもいいの?」と聞いたんですね。そしたらその男の子は「妊娠したら、おろしてもらいますから」みたいな事を軽く言ってるんですね。で、彼らは中絶がどういうものか知らないんですよね。おそらく学校でもあまり追及して教えていないのかもしれないんですが、実際には中絶という手術の行為というのは、女性の体内というか子宮の中に長い金属棒をですね、突っ込んで、まだまだちっちゃな命をかき出すという行為なわけですよね。その上で女性の体を非常に痛める事もありますし、最悪の場合は妊娠できない体になってしまう事もあるんですよね。さらに女性の場合っていうのは、自分が自分の体の中に宿っている命を殺してしまったんだという非常に罪悪感にさいなまれたり、夜も眠れないというような状態になってしまう女の人もたくさんいるわけなので、そこら辺でとても心身に与える負担というのが大きいわけですよね。私が話を聞いた男の子はですね、その中絶の実態を私から知らされて「ああ僕も、もっと早くにそういう情報を知っておけばよかった」という事を言って激しく後悔をしていましたが、ほんとにそれぐらい男の子達はいい加減な知識で性行為をしてしまいがちであるという事なんですよね。

というわけで、ここまで5点について、まあメディアが発信している性情報の誤解するポイントというのを申し上げました。ではこの5点のポイントに関してどのような対策をとればいいかということなんですけれども。これはですね、おおまかに言えば男の子が必要なものっていうのは「相手のOKサインを鋭く見極める」と。これに尽きるんですね。彼女と家で2人っきりになって、で迫れるかどうかを判断するポイントとして、まずですね、彼女の隣にピッタリとくっついて座ってみるという男の子がいました。でその時に、相手の女の子がちょっと体を避けたりすると「この子はまだ僕に対してそういう気がないんだな」というのがわかりますよね。そこら辺で徐々に徐々に相手の反応を確かめながら、もうちょっと進んでいいのか、あるいはここで止めたほうがいいのか、ということを判断してくと。これはいわばコミュニケーション力なんですよね。結局は冷静な観察眼に基づいたコミュニケーション力というものを、男の子は育てていく必要があるかと思います。

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